顔も知らない

2013年11月24日 通常
休日を 親の惚気に してやられ

頼みます。誰か母をどうにかしてください。
娘として、腹一杯ですもう。ごーちーそーうーさーまー。

父の入院の保証人の書き物とハンコを押し、見舞いも兼ねて。バカップル父の見舞いなぞ、アテられる一方であるからね。事務的作業メインと考えていかないと。心配とかを軸に考えていたらぎゃふんぎゃふんであるよ。

で、母と昼ご飯を食べている時に聞いた「祖母は『娘ら3人にだけ』話したいことだが、孫にも内緒で話しちゃう」内容。
母は無意識にこれまで、私に言ってきたから、私としては「いや、大概ソレ聞いているよ」といった内容でした。
んでも、ケタが違った。
祖父が芸者(2号)で作った借金、えーと、初任給〜肩書き無しの人の月給が2万円くらいの時に、2000万円の退職金でも全然足りなかった、と。
ええええ。ソレ、今だったら億単位、とゆー話では。
芸者さんへの支払いの仕組みやらお金の使い方も戦後どんどん変わっているから、当時のお金の使い方と、今では違うんだろうけれども。
祖母も和菓子屋のお嬢さん育ちで、女学校に行くには女衆を連れて行った、とゆー平和な人だったので、子供を3人産んで、夫は国営放送の主流派の人で、お届け物だけでご飯が作れちゃうような生活が当たり前だった。夫の浮気なんか全然気付いていなかったのに、いきなり身内から借金全額まで知らされたと。
で、自分の親兄弟にお金を貸してくれろと頼みに回ったり。断られたり。
思い詰めて、祖父の部屋に包丁を持っていったことがあるそうな。
祖父は「いいよ」と言ったそうな。なにそのええかっこしい。
んでもそこで刺したら、娘らが一生後ろ指を指されると思って脱力した、と。ちょうど、我が母の同級生だか先輩が、大学教授と不倫して殺されて、大学教授一家も車に逃走中に湖だかなんだかに突入して亡くなった事件があって新聞に出ていた後だそうで、ソレも脳裏をかすめたらしい。
母はその頃、大学に入って、これまで私には「祖父のせいで辞めなきゃなんなかった」と愚痴を言っていたこともあるが、実際はその通りも含め「大学闘争等の時代で、せっかく入った(入る前には祖父退職前だからコネが効いたらしい)のに、ほとんど授業も中止で、家が大変な時だし、仕事をしているほうが余程有意義だった」のが実態だったそう。なるほろー。

まーその後四方山の話に「パパとの出会い★それから★」なんかも織り交ぜられて語られた訳です。改めて。
祖父の妹が戦争未亡人で、その、イトコの家、今で言う2Kの部屋に家族5人で厄介になったりしたそうな。

祖父は「えーかっこしーの要領良し」だと、大人になった今は大層、客観的に見える。戦争中も最後のほうは銃弾を受けたりしているが、基本、字がキレイとか算数が上手とかで、どんどん勲章を貰っても算数係だから戦犯とかにならずに済んで。
借金、後、入った職場は運送系で、バブル。
だから私ら孫は「優しいおじいちゃん」しか知らん。祖母ともなんの諍いもなかったし。祖母、すげー。腹の中で「こいつのせいで」と思っていても、責められんわ。

で、病院で亡くなる寸前に、祖母以外誰も聞いていなかった最期の言葉が、祖母への「ごめんね」だった、と、この度、初開帳。
祖母はその時すぐに「うん」と、一言、言えなかったことが、もう二十年近く胸につっかえて、毎晩寝床で「あの時、うん、と言えてあげていたら、おじいちゃんも楽だったろうに」と、そのことが頭を占めていたそうな。
言えないよー。
祖父も祖父でなーにが「ごめんね」じゃー。最期までえーかっこしー。孫らにも「良いおじいちゃん」としての印象しか残していないし。

こーゆーことは墓まで持っていかれなくて本当に良かった。墓まで持っていかない美学でどーぞ祖母。そのほうが私ら、気持ちが良い。

また、私の生まれていない時代に、セレブ生活から庶民生活にレベルが落ちていてくれて良かったと思う。もしも祖父がそのままセレブ生活を維持できていたとしても、間にバブル等入っていて、母もどこぞに見合いで嫁いでいたかもしれんし、その場合、私も私であったかわからんが、現代まで痛いメ見ずに済んでいたかどうか、考えるとかなり低い確率だと思う。
私が私として生まれていたとしても、ヒルズ辺りで変死している可能性、限りなく、高かったのではないかと。
高いところから落とされるより、私がフツーの生活をフツーだと思って過ごせているのは、誰も悪くないと言えば、2号さんのおかげだったと言えなくもない。また、祖父がええかっこしいの見栄っ張りだったことを考えると「玄人にテをつけた」ことはまだ、素人団地妻浮気みたいな話よりマシだったのではないかと。

なんの因果か、詳細を知る以前から有吉佐和子作はじめ芸者等の小説や実録を読み、自分でわかる限り実態等を調べて読んだりしている知識を掘り起こすと、祖父、相当、御大尽だったんじゃあないの?
不思議なイトコ、いるかもしれん。
リアリティはないが、借金末期に相手の芸者さんに手切れ金も渡しているだろうし、その単位になると、子を生ませていた可能性もある訳だ。
芸者さん、今、生きているのかしらん。祖父以降、旦那とかついて、シヤワセになっているのかしらん。また、祖父との間に子はいたのかしらん。
ギョフー。気になって仕方がない。
なにその、もしも、祖母も存在すら知らないイトコが存在したとしたら。私はイライラしながら仕事したりなんだりして、フツーに暮らしているが、その人、シヤワセに暮らしているのかしらん。それとも小さなスナックーとかで掠れ声のママみたいなことをしているのかしらん。芸者さん自身の生死ももちろん気になる。
気になるわ!
が、祖母には聞けないな。祖父が芸者さんを囲っていたのは恐らく昭和30年から10〜15年前後。当時、芸者さんの顔や名前を知ろうとしたのか、知ったのか、も、今さら祖母に直接、掘り起こして聞き出そうとは到底、思えない。
本人にしてもイトコにしても、会ってどうこうとゆーのではなく、事実だけ知りたいわー。

祖母がついに、死後二十年近い祖父に「うん」と言える心境になったのは素晴らしいことで、そこだけ見ていたいんだけれども。
私なんぞが迂闊にお話を考えるよりも、すげー祖母人生。誰か朝ドラにして。キュー。

今日喰ったもの
昼/小柱とエビのウニトマトクリームスパゲティ。
夜/ツブ貝。

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